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「The Knight Diaries」
第5話-消せない記憶-

20

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ヒルデは一人で雨を眺めていた。
スーザンを追い出してしまってから、胸を蝕んでいる寂しさ…。
ヒルデは後悔と自己嫌悪に押しつぶされながら、同時に父への失望と怒りを抱いていた。
色んな感情が渦巻くヒルデの心は、既に破綻寸前だった。
止まることなく流れ続ける涙。
ヒルデはそれを雨のせいにしてしまいたかったが、その雨は少しづつ弱まっていく。
この様子だと、昼過ぎには止むだろう。

「ヴァーレン卿、出発です」
外に居る騎士たちが見える。
窓越しにヒルデは父を探した。
だが呼ばれていたにも関わらず、どこにもいない。
最後に顔を見せることすらしないなんて…。
騎士の一団はそのまま屋敷の敷地内から出て行ってしまった。
これでお別れだなんて、ヒルデは未だに実感できずにいた。

「あの…お嬢様…」
スーザンが閉まっている扉越しに呼んでいる。
ヒルデは急いで駆け寄った。
「さっきはごめんなさい!」
扉の下の隙間から、一枚の紙が滑り込んでくる。
ヒルデは扉を開けて謝ったが、そこには誰も居なかった。
紙を拾い上げると、ヒルデはしぶしぶ窓辺へ戻った。
さっきまで優しくしてくれていたスーザンにまで嫌われてしまったのだろうか…。
ヒルデは今度彼女が会いにきたら、必ず謝罪すると決めた。
そして、彼女が残していった紙を見つめる。
手紙だ。
ヒルデは一瞬スーザンからの手紙かと思ったが、それは父の荒い字で書かれていた。
ヒルデは深呼吸してから、文字に目を通す。
込みあがってくる感情を押さえつけながら。

『ヒルデ、これを読んでいる時、私は既に屋敷を出ている頃だろう。
文章でしか気持ちを伝えられない私の不器用さを許してくれ。
私はどうしても聖地に行かなければならない。
もし将来、お前が騎士になった時、その理由はきっと分かる。
私にはお前以外にも、守らなければならないものがあるんだ。
だが、お前が一番だということは分かってほしい。
お前を初めてこの腕に抱いた時から、お前は私の命だ。
私を許して欲しい。
お前を一人にする最悪の父親の愛を、どうか見捨てないで欲しい。
必ず生きて戻るから、その時に、どうかこの馬鹿な父親を叱ってくれ』

ヒルデは父親のセンスのない文章に笑ってしまった。
父は下手な詩の読みすぎだとヒルデは思った。
だが自分の目に涙が溢れている事実は隠せない。
わざわざそれを照らし出すかのように、晴れた空から陽の光が差し込んでくる。
ヒルデは手紙をくしゃくしゃに丸めると、窓から外へ放り投げる。
「スーザンに謝らなくちゃ」

ヒルデは涙を拭うと、部屋を飛び出した。

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