FC2ブログ

スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←12 →14
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


web拍手 by FC2
総もくじ  3kaku_s_L.png The Knight Diaries
総もくじ  3kaku_s_L.png The Reminiscent El
もくじ  3kaku_s_L.png 旅日記(ゲーム)
もくじ  3kaku_s_L.png 日記
もくじ  3kaku_s_L.png ご案内
総もくじ  3kaku_s_L.png イベント小説
もくじ  3kaku_s_L.png 閉鎖中
web拍手 by FC2
  • 【12】へ
  • 【14】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

「The Reminiscent El」
第2話 ミーミルの泉

13

 ←12 →14


人気の無い小さな駅で、バスは止まった。
また電車に乗ると思うと、いよいよ世界の果てまで連れて行かれることもエルは覚悟し始めた。
この駅には屋根がなく、ただ線路の脇に石造りの床と古びたベンチが置かれているだけだ。
念のために確認するが、今は21世紀だ。公衆電話や自販機の一つぐらいあってもいいだろう…。
エルは心の中でそう呟き、緑のペンキが剥がれて、もはや素材そのままのベンチに腰を下ろした。
そして線路と、その向こうの何処までも続く緑の草原を見つめた。

21世紀にしては不便だが、こうして見れば、こういう世界も悪くないかもしれない。
そう思いつつ、エルは空を見上げる。
優しい風が彼女の赤い髪を揺らしたその時、視界を遮るように小さくて青い何かが、額にひらりと舞い降りた。
エルはそれをつまむと、広げた手のひらに乗せた。
小さくて愛らしい、青い花だ。

「ワスレナグサ…」
レイバンがエルの横に座りながら、優しい口調で言った。
「真実の愛とか、思い出という花言葉があるんだ」
エルは彼の意外な知識に胸を衝かれた。
思っていたよりも、繊細な知識にも興味を持っていたようだ。
「この花言葉は、中世の物語が由来なんだよ」
レイバンは言った。
「ある騎士が恋人と川のほとりを散歩していたとき、彼は愛らしい花を見付けたんだ。彼はその花を恋人のために摘もうとして、川に落ちてしまってね。彼は溺れる寸前に、恋人にむけて『私のことを忘れないで』と言い残して、この花を投げ渡したんだ。
それから一人残された彼女は、彼のことを忘れないようにこの花を“忘れな草”と呼ぶようになった」

「ちょっと切ないですね…」
エルの素直な意見に、レイバンはクスクスと笑った。
「そうだね。だけど私は、その騎士が少しうっかりな人だとも思ってしまうね」
「確かに」
エルも笑った。
こんな他愛のない会話で自分を笑顔にしてくれる人なんだと知って、エルはまた、レイバンの事が少し好きになった。

「だけどね…」
レイバンは少し、悲しそうな顔をした。
「この花が君に届いたのには、もっと深い意味がありそうだ」
「どういうことです?」
レイバンはエルの手のひらで揺れる、青い花を見つめた。
「この花が咲く季節は、もう少し先なんだよ。多分、君がやってくることを知って、挨拶代わりに“彼”が送ってきたんだろうね…」
「誰かが、私に“忘れないで”って花言葉を送ってきたんですか?」
ミルディンの優しい笑顔が浮かぶ。
「多分ね。ミルディンの事をよく知っている人だから…」
「誰ですか?」

レイバンはエルの問いに、静かに微笑んで答えた。
「これから会いに行く人だよ」


関連記事
スポンサーサイト


web拍手 by FC2
総もくじ 3kaku_s_L.png The Knight Diaries
総もくじ 3kaku_s_L.png The Reminiscent El
総もくじ 3kaku_s_L.png イベント小説
総もくじ  3kaku_s_L.png The Knight Diaries
総もくじ  3kaku_s_L.png The Reminiscent El
もくじ  3kaku_s_L.png 旅日記(ゲーム)
もくじ  3kaku_s_L.png 日記
もくじ  3kaku_s_L.png ご案内
総もくじ  3kaku_s_L.png イベント小説
もくじ  3kaku_s_L.png 閉鎖中
web拍手 by FC2
  • 【12】へ
  • 【14】へ

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【12】へ
  • 【14】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。