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「The Reminiscent El」
第2話 ミーミルの泉

14

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エルとレイバンは、汽笛の音で同時に視線を変えた。
黒い古びた蒸気機関車が、速度を落としながらこの駅へ向かってくる。
電車が来るものだと思っていたエルは、またもや驚かされた。
本当に時代をさかのぼっている様な気分だ。
「さて、行こうか」
「は、はい」
エルとレイバンは立ち上がると、線路の手前で汽車が止まるのを待った。
しばらくすると汽車は停止し、暖かい蒸気が車両から吹き出す。

「ご乗車くださーい!」
車両からダンディな髭を生やした車掌が出てくると、彼は帽子を脱いで挨拶した。
「おっと、これはこれはブラックストーンさん!お久しぶりですね」
「そうだね、最後に来たのは随分昔だから」
レイバンは懐かしむように車掌と握手した。
彼らが知り合いだということは分かったが、エルにはこの汽車がどこへ向かうためのものなのか検討もつかなかった。
世間話を始めるかと思いきや、二人は早々に話を切り上げて車両に乗り込んでいく。
エルも慌てて、ロナルドやヘザーと一緒に車両に乗り込む。

中は想像以上に清潔で、むしろ豪華という言葉が相応しかった。
思っていた通り、これは長距離列車らしい。
座席というものはエルが入った車両には見当たらず、少し狭い通路に個室の扉が幾つも並んでいる。
床は赤いカーペットが敷かれていて、何かをこぼしたような染みも見当たらない。
ただ、乗客の気配がまったく感じられないのが奇妙だ…。

「席はこちらです」
車掌に案内されたのは、一番左奥…恐らく車両の連結部分の手前に位置するであろう個室だった。
彼は笑顔で個室の扉を開け、一行を中へ促す。
レイバンが先に入り、エルも続く。
この部屋はソファのような席が対になっていて、柔らかそうなクッションが添えてある。
車窓は巻き上げ式のカーテンがついていて、今は外の景色を遮っている…。
エルが一通り部屋の様子を窺った、その直後。
「ごゆっくり」
車掌はそう言って個室の扉を閉めてしまった。
ヘザーやロナルドが入ってこないうちに戸を閉められて、エルは驚いた。
レイバンを見る。

「あの、ヘザーたちは?」
「大丈夫、彼らは別室だよ」
エルは気が遠くなった気がした。
長い時間を男性と二人っきりで過ごすなんて…しかも個室で…。
エルは不安と緊張で体が石のように硬くなり、そのまま妙な姿勢で席に座った。
きっとレイバンには、自分の座る姿が“考える像”に見えていることだろう。

「眠いのかい?」
「あ、いえ、全然」
エルは指摘されて背筋を伸ばした。

薄暗い部屋の中に、カーテンの隙間から外の明るい光が差し込んでいる。
エルは目のやり場に困り、ひたすらそれを見つめた。
「開けてほしいなら言えばいいのに」
レイバンはそう言いながら微笑むと、カーテンを巻き上げる紐を力強く引いた。
すると部屋一杯に外の眩しい光が差し込み、エルは目が眩む。

次第に慣れていくと、外の美しい景色が目に飛び込んできた。
花畑が次々と、川のように流れていき、まるで世界全体が虹のように輝いている。
エルは目を見開いて、窓に張り付いた。
「すごい!奇麗ですね!」
「ああ、見事だね」
レイバンは微笑んだ。
「まだ寒い時期なのに、まるで春の花畑だ」
エルはその言葉で、彼の方へ振り向いた。
「これも、もしかして…」
「そう、多分ね」

レイバンは言った。
「君を歓迎しているのさ」



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