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「The Reminiscent El」
第2話 ミーミルの泉

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「大丈夫、手際よくすると約束しよう」

ミーミルの答えに、エルは気が遠くなった。
しかし、レイバンと共にミルディンの秘密を解き明かしたい…。
エルはためらいながらも、小さく頷いた。
一度は捨てようとした体だ。
今さら心配したところで…。

「よし、君の勇気と意思は見せてもらったよ」
ミーミルはエルが答えを口にする前に、にっこりと笑いながら言った。
「君には代償を要求しないでおこう。ミルディンの娘だからという理由もあるが、君は特別だ」
エルは込みあがる安堵感に泣き出しそうになった。
エルの感情を察してか、レイバンは彼女の背中をさすった。

「さあ、飲みたまえ」
ミーミルがそう言うと、エルはレイバンに背中を押されて前に歩み出た。
安定しない精神状態のまま、ふらつく足取りで泉の前にやって来る。
エルは両膝をつくと、泉に恐る恐る両手を入れた。
白くにごった水は恐ろしいほどに冷たく、まるで氷水のようだった。

「ユグドラシルとはこの木のこと…」
突然、ミーミルが切ない顔で話し出した。
膝をついているエルとほぼ同じ高さにあるその頭は、見下ろしていた頃よりもとても大きく見える…。
エルは両手を引っ込めて、そのまま彼の話を聞いた。

「今ではこんなに小さくなってしまったこの木も、昔はそれはそれは大きなものだった。
ミルディンや、わしも…いずれは小さくなって、世界の隅で消えていく存在なのかも知れない。
だが、君はそうであってはならない。人間は昔よりもちっぽけになってしまった…。
だが君はもっと大きくなっていかなければならない」

「それは…」
エルは訊いた。
「大人になるのと同じことですか?それとも、偉大になれとか、使命とか、もっと大事なこと?」
「君は賢い子だね」
ミーミルは、かつてのミルディンと同じ事を言った。
エルはその意味がとても深いところにあるのではないかと、少なからず感じていた。
ミーミルは微笑む。
「大抵の人間は、大人になると小さくなるものだ」
「子供のままの方が良いと…?」
エルの問いかけに、ミーミルはクスクスと笑った。
「子供は純粋だ…純粋なまま賢くなるのが理想だろうね。だけどそれは大抵叶わない。君はどうなるかな」
「私は…」
エルは言った。
「偉大になりたいとか、大人になりたいとか、そう思った事はありません…。
ありのままの自分で居られることが何よりも幸せだと…そう父に教わりましたから」

「賢い父親を持ったね」
ミーミルは微笑むと、視線をレイバンに移した。
「ウォーデン…君は彼女を守れるかい?」
エルは振り向いて、レイバンの顔を見た。
ミーミルの言ったことはどういう意味だろう?
彼はその意味を知っているらしく、表情は変えなかった。

「ミルディンの忘れ形見である彼女を…恐らくこの命が尽きるまで見守ることでしょう」
エルは軽い衝撃を受けて、泉に落っこちそうになった。
どこかの下手な、愛の告白にそっくりだ。
エルは驚いた顔のまま、ミーミルを見つめ直す。
「エル・マーリン…君はウォーデンについて行くことが出来るかい?」
エルは戸惑った。
これは結婚式か何かか?

「あの、私は…」
言葉が出てこないエルに、ミーミルは声を出して笑った。
「余計な話はここまでとしようか。さて、お飲みなさい。」


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